短期間ですがヤマガブランクスのバリスティック96MMHを使用する機会があったので外観インプレから使った印象までレビューします。
購入経緯
ショアジギ入門と陸っぱりでの中禅寺湖のレイクトラウトを狙うために購入していたシマノのシーバスロッドであるディアルーナS906M。
購入から3年ほどかなり愛用していたのですが、自分自身の釣りのスタイルも以前に比べてトラウト釣りからソルトショアメインに変わってきていること。
そして初期に比べて自分の好きなスタイルやロッドの特徴なども分かってきたこともあったため、この機会に奮発して今後末長く使える上位機種への買い換えをしようと思いました。
で、購入時に考えた点としては、まずショアジギロッドのコルトスナイパーSS96Mはすでに持っています。
ですので40g〜50g程度のメタルジグ投げるのはコルスナの役割です。
その上で今回購入を検討したシーバスロッドに求めるのはサーフにおけるフラットフィッシュ、堤防からの青物、そしてたまに河川などでシーバス、将来的にはヒラスズキなんかも狙えたら良いなぁ…という汎用性高めの領域を求めました。
リールはちょうど4000番あたりを付けっぱなしにしておきたい感じですね。
購入候補選定
そんな幅広な条件を考慮した時に、必要となる要素としては…
- ・対象魚はヒラメ、3kgくらいまでの青物、シーバス、ヒラスズキ
- ・できればダイワとシマノ以外のメーカーにしたい(個人的に)
- ・パワーはM〜MHで20g前後のミノーや30gまでのメタルジグをしっかり投げられる
- ・サーフでの使用を考慮して9.6ft以上のレングス
- ・できればPE2号までのキャパシティ(普段は1.2〜1.5を使用してるが念の為)
こんな感じです。
メーカーは別にシマノやダイワが嫌いな訳ではないのですが、すでにコルスナもあるし、ボートシーバス用にはダイワのソルティストもあるし、ていうかそもそもディアルーナからの買い替えだし…ということもあり今回は違ったメーカーのロッドにしたいと考えました。
で、候補となったのは…
- ・APIA Foojin R GRAND SWELL 100MX
- ・ZENAQ PLAISIR ANSWER PA99
- ・リップルフィッシャー SilverStream 96 Flows / 103 Flows
- ・ヤマガブランクス バリスティック96MMH / 102MH
このあたりでした。
ほんとはヤマガブランクスのEARLYシリーズも良いなぁと思っていたのですが、すでに友人が同シリーズを使用していたため被り防止で除外しました。
簡単なざっくり比較表は下記。
スペック的には大体同じような感じですね。
強いて言うならばAPIAとZENAQはファストアクションですが、ヤマガ・リップル兄弟はレギュラーアクションとなっているというところが特徴か。
あとは皆さん値段がお高いです(笑)
APIAもFoojin Rなのでこの価格ですけど上位グレードのFoojin ADだと67,000円くらいの価格帯となりほぼ並びます。
実際に選定してみる
で、ここから選定していくわけですが、やはりこの価格帯のロッドとなるとさすがにどこかしらで実際に触ってみたいんですよね。
しかしZENAQは関東圏で触れるところってイベントとかやってない限りほぼ無いようで、関西だとちょこちょこ店頭にもあるようなのですが…
RGガイドという尖った機能やロッドデザインにはかなり惹かれたのですが、触らずにポンと購入する度胸は無かったため断念。
独自RGガイド+多ガイドシステムという他には無いシステムですごく興味はあるのですが…残念です。
次にリップルは…と探していたところ都内の某プロショップに96Flowsを発見!
ちなみにこの上品なデザインもめちゃくちゃカッコいいんですけど、自分で候補に挙げておきながら自分には似合わないなーとも思いました。
ステラ以外のリール付けたら拗ねて壊れそうなくらい上品な雰囲気…
で、まあステラなんか持っていないんですが実際に店頭で触ってみて、店員さんにも荷重を掛けてもらったりしながら感触を確かめてみたのですが、レギュラーアクションとの記載通りかなり胴寄りの調子でした。
荷重を掛けた際にはかなり根本までぐぐぐーっと曲がっていきます。
しなやかという表現が適切なんだと思うのですが、へっぽこな私にはダルめの感覚(リップルフィッシャーファンの皆様マジですいません)で、というかこのロッドで私みたいな下手っぴが上手くキャストできる自信が無かったというのが本音です。
ということで、リップルフィッシャーのFlowsも断念。
そして同じ店にバリスティックシリーズもいくつかあったので一緒に触らせて頂きました。
実は自分の中では本命はこのバリスティックだったんですよね。
でも102MHが最本命だったんですが、その店舗には在庫がなかったため96MMHを触らせて頂くことに。
で、96MMHを同じように荷重掛けたりしていたのですがリップルフィッシャーとは打って変わってかなり先端までビンビンな感触で、根本までのパワーも強く感じました。
実際のパワーが強いというよりは反発力が強いので、それをパワーとして感じているというような感触で、単純に硬いのではなく曲がるけど戻ろうとする力が強いというのが正しい表現な気がしました。
この96MMHは最近増えてきているハイブリッドなロッドで、ティップはMでバットはMHという複合パワーとなります。
要はバットパワーは欲しいけどシーバスのバイト弾きにくくするためや、ミノーイングのしやすさを考慮してティップにはMのしなやかさを、というイメージですね。
で、102MHは気になりつつも、店頭で店員さんにも時間を割いてもらって色々と話を伺っている内に「96MMHありやな…」という風に思えてきまして、結局そのまま購入することとなりました。
おかげでAPIAのFoojin Rは触ったり詳細に検討することが無いままとなってしまいました。
またいつかAPIAも触ってみたい。
購入後のインプレ
人生初のチタンガイド様とトルザイルリング様
購入したからには早速使ってみねばということで、その日の内に夜の旧江戸川に繰り出しました。
その日は魚は掛けることはできなかったのですが、キャストフィールめちゃくちゃ良いです。
ロッド自体がビンビンで心置きなく思いっきり振り抜けるのと、キャスト後のティップのブレの収束が非常に早いのでブレが少なくなったように感じる(実際にはブレているが収束が早いので気にならない)ので投げていてとても気持ちいいです。
その日投げていたのはサイレントアサシン140Fと129F、ロウディー130Fそしてメタルバイブなどですが、20g前後のミノーは特に気持ちいいです。
そして明確だったのは今まで使っていたディアルーナに比べて明らかにキャストのスイングスピードが向上しました。
これは個人差も大きくあるところだとは思いますが、私の場合ディアルーナを使っているとどうしてもキャスト時に振りかぶってロッド側に一瞬のタメを発生させないと飛ばせないという感覚だったのですが、バリスティック96MMHの場合はそのタメを作らなくともロッド自体の反発力だけでバシッと飛んでいく感じです。
単純にディアルーナよりもロッド全体が硬めということもあるのだと思いますが、結果的にテイクバックからキャストまでの一連の動きがスピーディーに行えるため腕の振り抜きの速度も増すというようなイメージです。
ただ、もしかすると女性や腕力に自信の無い方は少し硬すぎたり反発力が強すぎて疲れてしまうかもしれません。
リトリーブ中は旧江戸川の河口付近ということもありほとんど流れが無いので若干硬過ぎる気もしますが、そこはMパワーのしなやかなティップもあり水中の動きは適度に感知しやすく良い感じです。
結局その日は3時間程度ではありますが「いいなーいいなー」と一人でブツブツ言いながら投げ続けていました。
翌週に鹿島のサーフでの実釣をしてみました。
が、結論から言うとサーフでの使用においては自分の求めていたものと少し違うな…となりました。
具体的には、このロッドはMMHとなりティップが柔らかいため、河川ではその柔らかさは問題にならない(むしろ丁度良い)がサーフの場合は波や潮の流れに負けてしまうという点です。
ここは正直「私にとっては使いづらい」という部分だと思います。
サーフといっても波の穏やかな場所や潮の流れがそこまで無い場所であれば気にならないかもしれません。
ただ、私の使用するシチュエーションの場合、波間を縫ってリトリーブしている最中にティップがグワングワンと巻き込まれるため、それをノイズのように感じてしまうんですよね。。
でもそれは使う人によってはまったく問題ない、むしろ硬すぎるティップのほうが嫌だ!という人もいると思うのでここは単純に個々の好みの問題だと思います。
また、そもそも使用するのがシーバスメインでたまにサーフも…というような方であれば考え方は当然変わると思います。
私の場合はサーフメインでたまにシーバスも…という使い方を想定しているためサーフでの使用感を重視した上での感想となっている点はご注意ください。
結局のところ
ということで、さてさてどうしますか…ということになったのですが、結果的にこのロッドは早々に手放すこととして、その後バリスティック102MHを購入して現在愛用しています。
ただ繰り返しになりますが、このバリスティック96MMHはめちゃくちゃ良いロッドです。
高反発・高感度のパキパキ系ロッドが好みの方であれば間違いないです。
そして忘れてはならないのはこのロッドはあくまでシーバスロッドとなります(笑)
私が勝手にサーフメインで使うことを想定しているだけで、このロッド本来の領域であるシーバスを狙うためのロッドと考えれば非常に優秀だと思います。
特に大規模河川や河口付近など大場所でのシーバスゲームであれば非常にオススメです。
20g前後のミノーを思い切りぶっ飛ばせて、バットパワーもMHで十分な余裕があり、しかもティップは柔らかく感度があるのでバイトも弾きにくいわけです。
102MHを購入した私ではありますが今後シーバスにのめり込むことがあれば改めて真剣にこの96MMHの購入を悩むかもしれません。
バリスティック96MMHはそんなロッドです。
現時点の私の使い方にはマッチしなかったというだけなので、もしシーバスロッドを探していてこの記事をお読みになられているのであれば、参考にならない駄文ではあるかもしれませんが是非ご検討ください。
(別に私はヤマガブランクスの回し者ではありません)
遠回りはしたけれど、私は後悔していません!
バリスティック102MHのインプレに関してはこちら
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