MWS-972-TRを購入してGクラフトのロッドの魅力に気づいてしまい、MWS-972-TRを買ってから二週間もしない内に勢い余ってMWS-902-PEを買ってしまいました。
MWS-972-TRのレビュー記事はこちら
MWS-902-PEを購入した理由
今回MWS-972-TRに続いてMWS-902-PEという若干短めのロッドを購入した理由は、私のフィールド的に都内のいわゆる湾奥や港湾エリアでの釣行時に9.7ftだと少し長いと感じたことにあります。
江戸川や荒川の河口付近のような大場所であれば9.7ft程度でちょうど良かったのですが、都内の釣りができる公園内などの小場所の場合、後ろに木があり引っ掛かりそうになったり、そもそもテイクバックする空間が狭かったり9.7ftだと投げにくいシーンがありました。
ということで、もう少し短尺のロッドを…と考えGクラフトのラインナップ的に8.6ft〜9.0ft程度のロッドをオークションやフリマサイトを漁っていたところ、今回のMWS-902-PEを見つけました。
他の候補としてはエントリーモデルであるSRモデルのMWS-872-SRやMJS-862-SRなどが長さ的にも価格的にも良さそうだったのですが、それらのモデルのグリップ形状が「これは正直ダサいのでは…?」と感じたため見送りました。
SRモデルは今回購入したMWS-902-PEに比べて設計も新しく、エントリーモデルと言いつつもチタンガイド搭載でロッド重量も非常に軽量で(価格もですけど)他メーカーのハイエンド機種並みのモデルです。
さらにSRモデルはTRモデルよりも若干マイルド(柔らかめ)なブランクスとなっていて、TRよりも万人に扱いやすいというのが特徴のようですね。
これはこれでもちろん良いロッドなんだろうとは思いつつも、MWS-972-TRの性能や見た目に惹かれている身としては、TRよりもマイルドになることは求めておらず、そしてSRのグリップはちょっと受け入れられなさそうな気がしたため結果的にMWS-902-PEを購入しました。
今回購入したMWS-902-PE
今回購入したMWS-902-PEは穂先側がメーカー保証適用で新品交換されていて、保証を受ける際にグリップ側もGcraft社によるチェックとガイドラッピングやり直しをしてもらっているロッドとなり、年式の割に比較的状態が良いものを格安で購入できました。
MWS-902-PEの基本スペックは下記になります。
- Gcraft MWS-902-PE / ミッドウォーター 902-PE
- Length:9.0ft
- Weight:161g
- ルアー重量:Max 30g (Best 16g)
- ライン:Max 14lb
- アクション:レギュラーファースト
- ガイド:チタンガイド、SiCリング仕様
このPEモデルは約10年ほど前に発売開始したモデルとなり、まだまだ根強い人気を持つロッドではありつつもGクラフトの公式サイトにはすでに情報が無いようです。
一応スペック比較するためにMWS-972-TRとの比較表を下記に記載します。
さすがに最初に発売されたのが2009年と10年以上昔の設計となっていることもあり、PEの後継モデルであるMWS-972-TRと比較すると0.7ft短いにも関わらず重量は21g重くなっています。
ブランクスやグリップの設計・素材だけでなく、ガイドリングもSiCとトルザイトという違いがあるため、そうした細かい部分も全体の重量には影響していると思われます。
ルアー重量はPEの方が若干重めに対応しているようですね。
気になる部分としては記載されているラインキャパの意味がよく分かりません。
Max14lbとなっているのですが、メーカーのテストではPE0.8号〜1.2号にリーダーは22lb〜30lbが使われてるんですよね。
<テスト使用リール>
●スピニング
MWS972PE:ブランジーノ3000+PE1.2+リーダー30lb
MWS902PE:’07ステラC3000+PE1.0+リーダー25lb
MWS862PE:イグジスト2506+PE0.8+リーダー22lbリーダーは30lbまでテストしておりますがノットに関してはリーダーに結びコブを作らない摩擦系ノットにて結束してください。
Gcraft公式紹介文より
尚、MWS972PEは35lbリーダーを視野に入れ#6のガイドサイズに設定しています。リーダー長は1.5m(一ヒロ)までがトラブルも少なく使用できます。ロングリーダーはお勧めできません
ナイロンラインの場合は14lbってことですかね…?
でもこのMWS-902-PEはPEライン専用モデルらしいので、そんなロッドにナイロンラインのキャパを記載する理由も分からないですし、ちょっとここは謎です。
まあとりあえずよく分からないのでテストもされているPE0.8-1.2、リーダーは25lb程度までで使っていこうと思います(笑)
その他、MWS-902-PEのメーカー紹介文の一部を下記引用します。
大・中・小規模河川での落ち鮎シーズンや初冬のサーフ・ゴロタ場の中・大型マル・ヒラスズキを狙い、小型ミノーからバイブレーションを使用し、6gが扱える繊細なティップと26gバイブをフルキャストできるバットをトライ&エラーにて調整。
Gcraft公式紹介文より
メインルアーウェイトは16g前後、およそ1.2kgのドラグテンションでバットが入りアベレージクラスの2~4kgとのやり取りが非常に楽しめ、5kgクラスを片手で溜めつつ余裕を持ってコントロールできるように設計しています。
上記は862、902、972共通の紹介文となりますが、要するにML程度のパワー感で6g-26g程度までのルアーを投げるのに適しており、アベレージクラス〜5kgクラスのシーバスまで対応可能という感じでしょうか。
年式は古いですがMWS-972-TRと同じミッドウォーターシリーズとなるため、ある程度の小型ミノーから中型ミノーまで対応する汎用性が高いモデルとなります。
あとは今回購入した目的となる、ロッド長をフィールドによって使い分ければOKという感じでしょうね。
外観インプレ
届いてすぐにロッド全体を確認したところ、事前情報通りティップ側はほぼ新品。
グリップ側もグリップ自体には多少の使用感がありますが、ガイドラッピングがやり直されていて、ブランクスも傷などほとんど無い非常に状態が良いロッドで安心しました。
ロッドケースはMWS-972-TRと同様に重厚です。
年式的には古いロッドなのですがロッドケースは非常に綺麗です。
ただこのケース…若干匂いが気になったのでお風呂場で洗剤を付けて洗いました(笑)
先日購入したMWS-972-TRと同様にパワーはML相当となります。
ルアーベスト重量は16gとのことで、MWS-972-TRが17gなのでほぼ一緒ですね。
MWS-972-TRと同様に上下可動式のリールシートとなっています。
前後に可動させてリール取り付け位置を変えることで重量バランスやグリップの長さを調整できるGクラフト独自のスグレモノリールシートです。
グリップはMWS-972-TRよりもかなり太いです。
個人的にMWS-972-TRのグリップの細さが持ちやすくて気に入っていたため、このMWS-902-PEのグリップは少し太いなぁと感じます。
並べてみると太さがかなり違うのが分かると思います。
右側のMWS-972-TRはグリップ真中部分にかけてシェイプされていってますが、MWS-902-PEは真っ直ぐなグリップ形状となっていますね。
MWS-972-TRはグリップ周りの無駄を省いて軽量化しているようにも思えます。
ブランクスはMWS-972-TR同様にカーボン地が透けて見えていて非常にソリッドな印象です。
このヌラヌラとした感じ、やっぱりGクラフトのブランクスはカッコいいですね〜。
MWS-902-PEのガイドはチタンガイドでSiCリング仕様となっています。
サイズの比較のためMWS-972-TR(右)と並べていますが、MWS-972-TRと比較するとガイドサイズは大きめとなっています。
ただしMWS-972-TRのガイドは非常に小径のガイドとなっているため、MWS-902-PEのサイズがいわゆる小径ガイドとしての通常サイズだと思います。
ガイドを見ていて気になったのは、トップガイドから下の2番〜5番までのガイド角度が非常に急角度なセッティングとなっています。
最初見た時は歪んでいるのかな?と思ったのですが、2番〜5番まですべて綺麗に同じ角度になっていて、エポキシの割れなど無い綺麗な状態だったため、おそらくこれが正常な角度なのだと思います。
6番以降のガイドの角度はこんな感じで普通です。
詳しく調べられていないので2番〜5番のガイドの角度の理由は現時点では明確ではないのですが、PE専用モデルということで2番〜5番ガイドのセッティングがこうした形になっているのかもしれません。
ここは今後調べてみたいと思います。
ガイド全体としてはMWS-972-TR同様に小径ガイド仕様となっています。
その他、細かい部分ですとグリップエンド部がMWS-902-PEの方が少し豪華ですね(笑)
ロッドの外観としてはこんな感じで、まとめると下記になります。
- MWS-972-TRと比較するとグリップが太くストレート形状
- 2番〜5番ガイドが急角度なセッティングとなっている
- MWS-972-TRよりもグリップ側ガイドが大きめだが全体的に小径ガイド
- MWS-972-TRよりグリップエンドが少し豪華
- ブランクスは相変わらずソリッドでカッコいい
振ってみた感じ
で、ひとしきり外観をチェックした後、部屋の中ではあるんですが実際に振ってみたところ、MWS-972-TRとは全然違います。
いや、ほんとにぜんっぜん違います。
どう違うかというと、MWS-902-PEの方がめちゃくちゃ柔らかいです。MWS-972-TRがパキパキ過ぎるのかもですが(笑)
ティップ側だけの反発力自体はMWS-902-PEもMWS-972-TRもあまり差を感じないのですが、バット側の反発力と弾性がMWS-972-TRの方が圧倒的に強いです。
というかMWS-972-TRの方が長尺なのに振った後のブレの収束が断然早いんですね。
天井に押し付けて曲がりを見るとそこまで大きく差はないのでパワー的には同等な感覚なのですが、振った時の感覚はまったく別物です。
MWS-972-TRとMWS-902-PEは同じGクラフトのロッドと言えどやはり全くの別物ですね。
PEシリーズと現行のSRシリーズは30t+40tカーボンの組み合わせで、TRシリーズはさらにバット部に46tカーボンを組み合わせて高反発・高弾性化しているということの意味を理解しました。
同じレギュラーファーストアクションと言いつつも、MWS-972-TRと比べるとMWS-902-PEはレギュラーアクションのロッドのように感じます。
で、その後もMWS-902-PEをビュンビュンと部屋の中で振ったり天井に押し付けたりしていて、この感覚どこか他のロッドでも味わったことあるなぁと記憶を探っていたのですが、以前にリップルフィッシャーのSilver stream Flows96を店頭で試していた時の感覚だったと気づきました。
FlowsもMWS-902-PEと同じように、一般的には高反発・高弾性ロッドの部類には入りつつも、バットまですんなり曲がるレギュラーアクションのロッドのため、ヤマガブランクスのバリスティックやMWS-972-TRのような根元から先端までキンキン系のロッドとは違う印象でした。
正直その時はヤマガブランクスのキンキン系代表のバリスティックと比較して試していたこともありFlowsがダルめに感じてしまったのですが、まさかのMWS-902-PEが同じような感覚です(笑)
で、そうなるとMWS-902-PEはあくまでメーカーとしてはレギュラーファーストアクションロッドとは言いつつも、MWS-972-TRと比較するとFlowsのようにレギュラーアクションのスローテーパーなロッドとして扱ったら面白いかもしれません。
ということで、MWS-972-TRと比較するとかなりマイルド?なMWS-902-PEではありますが、今後実際に投げたり魚を掛けた時点で、改めて詳細なレビューをさせていただきます!
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