19セルテートはすでに5000D-XHを持っているのですが、今回新たにシーバス用に4000-CXHを番手追加しました。
ということで今まで使っていた5000D-XHや19ヴァンキッシュ4000XGとの簡単な比較も交えながら今回購入した4000-CXHのレビューをしていきます。
19セルテートLT5000D-XHの詳細レビューはこちら
購入経緯
以前からこのブログでも19セルテート5000D-XHについては何度かレビューを書いており、このリールは素晴らしいのじゃ!ということは書いていましたが、とはいえ今回なぜ新たに4000-CXHを番手追加したのか?というと…
まず今までシーバスでは19ヴァンキッシュ4000XGをメインに使っていました。
で、他の記事でも触れているのですが、最近シーバス釣りによく行くポイントは荒川の河口域が多いんですよね。
そしてそのポイントは水深がけっこう深めで、かつ川の流れもかなり強めという場所です。
さらにキャストで狙うべきポイントが立ち位置から60m-70m離れており、そうした状況で30g弱のメタルバイブなどをぶん投げたりしていたのですが、XGのヴァンキッシュで流れの早い場所で30gのメタルバイブを巻き続けているとかなり疲れるのですね。
1時間程度バイブ巻いたら手が疲れてくるので、ミノーに変更するか、もしくは休憩するか…みたいな感じでして、まあこれは私の腕力不足説もあるのですが…
当然ヴァンキッシュはミノーイングでは最高の巻き心地なんですが、メタルバイブぶん投げて、流れ強い場所でゴリゴリ巻いてくるというのはどうもXGのヴァンキッシュだとしんどいな…と思いまして。。
で、川の流れやバイブの抵抗に負けない巻き上げパワーがあるリール…となるとすでに持っている19セルテート5000D-XHの出番か!とも思ったのですが、さすがにシーバスに5000D-XHはオーバースペックだな…とも思いまして。
となると、その中間というかバランスの良いところ、として4000-CXHに白羽の矢が立ったという次第でございます。
ちなみにヴァンキッシュの名誉のためにも一応書かせていただくと、これが4000MHGのヴァンキッシュであればまた違った話になっていたとは思います。
本来的にシーバスにベストとされる番手はシマノだと3000MHGもしくは4000MHGあたりになってくるため、4000XGだと機種関係なく流れが強い場所でジグやメタルバイブをグイグイ巻いてくるのはしんどいよね、という話ではあると思います。
ですので、そうした前提があるという点と、そしてミノーイングでは19ヴァンキッシュ4000XGは非常に素晴らしい使い心地であることも重ねて書いておきます。
ですので一概に19ヴァンキッシュ4000XGがダメだという話ではなく、これは釣りによってのギア比や機種の使い分けという話かとも思いますので、そうした前提の上で見ていただければ幸いです。
19セルテート4000-CXHのスペック
ということで、今回追加購入した19セルテートはLT4000-CXHとなります。
3000番ボディに4000番スプールを搭載しているモデルですね。
現状の19セルテートのラインナップでは4000番ボディというものは存在せず、5000-CXHも同じく3000番ボディに5000番のスプールを搭載しているものとなります。
そして私が以前に購入して愛用している5000D-XHは5000番ボディとなります。ですのでボディサイズに関しては3000番→5000番とジャンプアップする形になります。
4000-CXHのスペックは下記になります。比較のために5000D-XHのスペックも合わせて記載します。
品名 | 巻取り長 (cm/1回転) | スプール径 | 標準巻糸量 ナイロン lb-m PE 号-m | 自重 (g) | ギア比 | 最大ドラグ力 (kg) | ベアリング (ボール/ローラー) | ドライブギア直径 | ハンドルアーム (mm) | ハンドルノブ仕様 |
LT4000-CXH | 99 | φ51 | 12-150 1.5-200 | 235 | 6.2 | 12 | 10 / 1 | φ35 | 60 | ラージT型 ハイグリップライト |
LT5000D-XH | 105 | φ54 | 20-170 2.5-300 | 295 | 6.2 | 12 | 10 / 1 | φ38 | 65 | パワーライト(L) |
上記スペック表で5000D-XHと比較すると、当然ではありますが重量に大きく差があります。
4000-CXHが235gに対して5000D-XHは295gと60gの差。
最大ドラグ力に関しては差はありませんが、リールの巻き上げパワーに影響する部分としてはドライブギア直径とハンドルアームの長さにも差があります。
ドライブギア直径に関しては4000-CXHがφ35に対して5000D-XHがφ38となっていて、ハンドルアームの長さも5mmの違いがありますね。
その他、巻取り量に関しても同じハイギアのXHとなりギア比も同じですが、4000-CXHが1回転で99cmに対して5000D-XHは105cmとなっています。
以前から所有している5000D-XHはすでにかなり使い込んでおり、その巻き上げパワーやトルクに関しては非常に素晴らしいことを理解しているのですが、4000-CXHのこうしたドライブギア直径やハンドルアームの長さの違いが実釣においてどういった差として現れるかがポイントです。
今回の番手追加の目的は「流れの強い場所において30g前後のメタルバイブなどを巻き疲れ無くしっかり巻き上げられること」です。
5000D-XHではもっと重たいジグをもっと流れの強い場所でもグイグイ巻けるのをすでに体感として知っていますが、3000番ボディの4000-CXHではどうか?というところですね。
19セルテートの公式サイトはこちら
外観インプレ
ということでまずは19セルテートLT4000-CXHの外観を見ていきましょう。
正面から見た姿はこんな感じです。
濃い紺色のボディに、黒っぽい樹脂のZAION製ローター、スプールはシルバーを基調としつつ、スリットにはボディと同色の紺色、スプールエッジは金色が配されています。
19セルテートだけではありませんがダイワ独自のモノコックボディ形状によって、正面から見るとボディが平べったくなっているのが特徴的ですね。
横から見るとこんな感じです。
モノコックボディに対してエンジンプレートと呼ばれる銀色の円形のプレートが嵌っています。
このエンジンプレートの部分がボディ内部ではドライブギアとなっていて、ボディサイズに対して目一杯のギアサイズとなっているのが見て分かるかと思います。
エンジンプレート部分のアップです。小さいフォントでモノコックボディと書かれています。
この金属の削り出し感が非常にカッコいいんですよね。そしてボディ色は明るい場所だとけっこうしっかり紺色に見えます。
ドラグキャップはシンプルなデザインです。
摘む部分の面積が大きいので、ドラグの操作はしやすいです。
ベールアームとラインローラー部分です。
シマノの機種に比べるとベールアームはかなり太めです。5000D-XH購入当初は慣れずに違和感がありましたが、使っていくうちに慣れていきました。
アーム部分が太いのでキャスト時に指が当たってベールアームを落としてしまいそうな気がするんですが、特にそうしたトラブルが頻発したりはしていません。
スプールを外すとこんな感じで、ローター素材はダイワの軽量樹脂素材となるZAION製です。シマノで言うCi4ですね。
ZAION部分は単純な黒ではなく、よく見るとまだらな感じになっているのが見て分かると思います。
ローター形状は左右対称です。
画像には写っていませんが、スプール受けの下部には細かい穴がいくつか空いていて排水されるような作りになっています。
ドラグ部分です。
ATDという伝統のドラグシステムが搭載されています。
ドラグワッシャーはおそらくフェルト系だと思います…(セルテートSWではカーボンワッシャーになっているようですが)
スプール内部はこんな感じです。
画像では分かりづらいかもしれませんがスプールの素材はかなり肉薄となっていて軽量化されています。
ドラグ音に関してはコリコリコリ!という小気味良いサウンドで音量は少し控えめです。
シマノのヴァンキッシュのようなカリカリカリ!という爆音レーシーな音とは違った感じですが、このセルテートのドラグ音も上品な感じで私は好きです。
ハンドルアームとノブ部分です。
上からだと少し分かりづらいですが、ハンドルアームは滑らかに角張ったアーム形状となっていて、真円形状のアームに比べて剛性がありそうです。
ノブはゴム素材のT型ノブとなっています。
個人的にはEVA素材のラウンドタイプのノブが好きなので、これに関しては後日SLP WORKS製のパワーライトノブ(MサイズもしくはLサイズ)に変更しようと思っています。
5000D-XHとのサイズ比較
4000-CXHと5000D-XHでサイズを比較するとこんな感じです。
3000番ボディと5000番ボディということもあり、サイズ感はけっこう違います。
横からの比較です。
縦の長さだけでなく、ボディ自体の大きさがかなり違うことが分かるかと思います。
ボディサイズに比例して内部のドライブギアの大きさにも差があり、それが巻き上げパワーに影響しているかと思われます。
ハンドルアームの長さの比較です。
4000-CXHに比べて5000D-XHはハンドルアームが5mm長いのが分かるかと思います。
こうやって見ると微妙な差ではありますが、とはいえ巻き上げ時の軽さには影響がある箇所と思われます。
実際に使ってみて
はい、ということでここからは実際の使い心地的な話です。
巻き心地について
まず巻き心地についてですが、やっぱり本当に滑らかで最高です。
5000D-XHを購入した時も最初回した時にヌルヌル過ぎて「うおおおお!」と感動していたのですが、今回改めて5000D-XHを購入した時の記憶が蘇りました。
5000D-XHはその後けっこう使い込んでいるので、さすがに購入時のヌルヌル感は失われていますが、それでも滑らかであることは変わりありません。
4000-CXHは購入直後ということもあって超ヌルヌル&滑らかで巻き心地はやはり最高です。
さらに、これは4000-CXHの方が5000D-XHに比べてドライブギア径が小さく、ローターもコンパクトで軽量なので当たり前なのですが4000-CXHの方が巻き出し、そして巻き出した後も軽いです。
自分の手持ちで比較すると17ツインパワーXDのC3000XGと同じくらいの感覚ですね。
巻き出しや巻きの軽さでいうと19ヴァンキッシュが圧倒的ですが、この19セルテート4000-CXHはバランスがちょうど良い感じというべきでしょうか。
軽すぎず、かといって重いわけでもなく、かつしっかり巻き上げパワーがあることも伝わってくるという印象です。
4000-CXHと比較するとさすがに5000D-XHは巻き出しや巻き出した後が重たく感じます。
巻き上げパワーについて
今回の番手追加の目的は19ヴァンキッシュ4000XGでは少し巻き疲れしてしまうため、それよりもパワーのある(かつそこまで重たくもない)リールを、ということで4000-CXHを購入しています。
で、実際に4000-CXHで30g前後のメタルバイブを投げてきました。
結論として、やっぱり19セルテートの巻き上げパワーはすごいですね。
今まで巻き疲れしていたところが19セルテート4000-CXHであればまったく問題になりません。流れの強い場所でもしっかりと巻き上げトルクを感じながらスイスイと鉄板バイブを巻き上げられます。
かと言って巻き出しが重たいということもなく、もちろんヴァンキッシュと比べると差はありますが、ミノーイングも非常に快適に行うことができます。
そして実際に魚をかけた場合、まだ50cm程度のシーバスとニゴイしか掛けれていないのですが、当然シーバスはまったく問題無し。
ニゴイはかなりのパワーで暴れまわりましたがドラグを締めてポンピングしながら巻き上げれば着実に寄せることができました。
しっかりとパワーがありつつもローターが軽量な樹脂製で、適度な巻き出しの軽さも確保できているのでバランスが非常に良い番手だなと感じます。
まあこれってツインパワーXDも同じ思想ではありますが。
そんな感じで巻き上げパワーは必要十分ですので、サーフからのライトショアジギングなどにおいても快適に使えると思います。狙う魚種によっては磯に持っていってもいいのかなと。
もちろん5000D-XHであればさらに巻き上げパワーが強く、かなりのサイズの青物まで対応できますので、このへんはタックルや狙う魚種・ポイントによってどっちがマッチするかは変わってくるかと思います。
少なくともサーフやヒラスズキであれば4000-CXHで十分かなと思います。
ドラグについて
ドラグに関しては、5000D-XHのレビューでも書いていますが、ATDの特徴としてけっこう締めていても初動は出やすいという特徴があります。
現状の私のタックル的にパワーファイトで一気に寄せたいので、ドラグは締め気味なのですが、それでも初動でズルっと出たりします。
ただ、ズルっと出てから粘る感じですね。
シマノの場合は最初に粘って、一旦ドラグが出だしたらそこからはザーッと出るイメージですが、ダイワは最初はズルっと出るが、そこからザーッとは出ないという感じです。
これは正直どっちが良いか悪いかという問題ではなく好みの部分もあると思います。
個人的には5000D-XHを購入するまでシマノリールばかり使っていたので、最初ATDの挙動は慣れない感じで少し不安でしたが、今では違和感なく使えています。
キャストの飛距離
19ヴァンキッシュ4000XGとの比較ですが、ほぼ変わりないかなと思います。
厳密には19ヴァンキッシュの方が少し飛んでるかも…?とは思うのですが誤差レベルであるのと、その日の風の状況などもあるので、正直外的要因に比べると誤差レベルだなという感覚です。
というかリールによる飛距離への影響ってそこまで大きくないと個人的には思っています。。
もし仮に僅かでも19ヴァンキッシュの方が飛んでいるのであれば、ロングストロークスプールの恩恵か、もしくはリールが軽いことで若干でも振り抜きが良くなっていることが影響しているのかなと思います。
耐久性について
ということでここまで19セルテート4000-CXHをべた褒めしてきましたが、耐久性については正直懐疑的です(笑)
もちろんまだ購入してすぐなので現時点ではなんら問題ないのですが、5000D-XHは購入してすぐにピニオンギアが破損してゴリゴリになっていますからね。。
5000D-XHのトラブルに関する記事はこちら
ということもあり、果たして4000-CXHは大丈夫なの?という感じで少し不安があるのは事実です。
ただ5000D-XHはピニオンギア壊れて無償修理対応となったのですが、その修理から戻ってきてからは特に問題なく快適に使えています。
ですので4000-CXH自身の耐久性という点では現状ではまだなんとも言えず、今後使い込んでいって様子を見るしかないと思っています。
ここについては今後改めて使い込みレビューをしていければと思いますのでお待ち頂ければと。
総評
ということで現時点での総評です。
とりあえず最初に言いたいのは4000-CXHは非常にバランスが良く、おそらくラインナップの中で最も汎用性が高い番手だと思う、ということです。
3000番ボディというとシーバスやサーフでは使えるにしても、ちょっと心細いシーンも出てくるのでは?と思っていましたが完全に杞憂でした。
マジでこいつがあればシーバスからサーフや磯ヒラまで余裕です。小型の青物でも問題ない、むしろ楽しめると思います。
私は5000D-XHを最初に購入してサーフや平磯などでフラットフィッシュや青物相手に使ってきていましたが、今後は4000-CXHをメインで使っていけると思っています。
もちろん釣りのスタイルとしてパワーファイトでゴリ押しする方などは、さらにパワフルな5000D-XHのほうが良い場合もあるかもしれませんが、もし19セルテートを4000 or 5000で番手悩んでいる方がいたとしても4000-CXHを買えばほとんどの方が満足できると思います。
そして5000D-XHは295gという重量で、もちろんこれも5000D-XHのパワーを考えれば十分すぎるくらい軽いのですが、4000-CXHは235gとさらに軽量です。
19ヴァンキッシュの4000番であれば200gとさらに圧倒的に軽いですが、とはいえパワーと軽量さの両立という観点で言うと19セルテート4000-CXHの方がバランスが良く汎用的だと思います。
強いて言うならば4000-CXHの場合は糸巻き量が少なめで、PE#1.5で200m、PE#1だと300mという感じなので、磯でゴリゴリやるぜ!という場合は5000番スプール搭載の5000D-CXHなどの方が太いラインを巻けるので良いかもしれません。
その場合5000D-CXHは250gと4000-CXHの235gと比べて15g重たくなりますが、5000D-XHは295gなので重量的には5000D-CXHの方が有利です。
あとは耐久性部分は上述している通り若干の不安はありつつも、とはいえ現時点では特に問題は発生していないのでここは今後使っていって様子を見ていく感じですね。
ほんとに耐久性に対する不安以外はパーフェクトとも言えるレベルのとても素晴らしいリールだと思います。
とはいえ耐久性って非常に重要な部分なので、他が優れているからと言って耐久性を無視してオススメできるかと言えば微妙です。
まあ微妙とは言えど、ほんとに素晴らしい性能のリールだとも思うので個人的には今後他の番手を買ってみたいとも思っています。(LT4000-CXHやLT5000D-CXHだったらギアサイズも小さいので大丈夫だったりするかも?とか)
https://tsurikichi.tokyo/2020/12/31/daiwa-19certate-lt5000-xh-review/
↑の内容は以前に5000D-XHのレビュー記事で書いていた内容ですが、実際に番手追加してしまいました。
5000D-XHでは壊れたり苦い経験もありましたが、それでも愛用して、かつ番手追加したいとまで思わせるリール。それが19セルテートだと思います。
結果的にべた褒めの記事とはなってしまいましたが、本当に良いリールですので是非参考として頂ければと思うのと、あと私はダイワの回し者ではありませんので悪しからず。(カルディアの時の恨みは忘れてないからな…)
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